まず外せない最低ラインの3つです。
- 【最低ライン】
p=noneから始めた(いきなりquarantine/rejectにしていない) - 【最低ライン】
rua=のレポート受信先を、個人の受信箱以外に用意した - 【最低ライン】
_dmarc.ドメイン名のTXTが引けることをdigで確認した
ここから先は、順に進めながら埋めていく項目です。
土台の確認
- SPFレコード(
v=spf1)が1行だけ存在する(2行以上あると不正になるので注意) - DKIMの署名が有効になっている(セレクタ名を把握している)
- 受信ヘッダーで
spf=passdkim=passを実際に目で確認した - ヘッダFromのドメインと、認証に使われたドメインが揃っている(アライメント)
- メール配信SaaSを使っている場合、自社ドメインでのDKIM署名を設定した
レポートの確認
- レポートが実際に届き始めた(数日待っても来なければ
ruaの指定を見直す) - 別ドメイン宛に送る設定なら、受け先側の許可レコードを入れた
- 送信元IPを一覧にして、「うちのどのシステムか」を対応づけた
- 対応づかないIPについて、転送かなりすましかの当たりを付けた
-
failになっている正規の送信元を洗い出し、SPFかDKIMを通した
段階を上げるとき
- 上げる前にTTLを短くした(300〜3600)
-
p=quarantine; pct=10から始めた - 上げてから1〜2週間、レポートと問い合わせの様子を見た
- 上げる作業を平日の午前中に行った(夕方・金曜を避けた)
- 切り戻し(
p=noneに戻す)の手順を、実行できる形でメモしてある
入れたあと
- レポートを見る予定を、月次の定期作業に入れた
- 新しくメールを送るサービスを契約したら、先にDKIMを設定するルールを共有した
- 入れたレコードの内容と目的を、変更管理の記録と運用ドキュメントに残した
- サブドメインからの送信がある場合、
spの扱いを確認した
全部に○が付かなくて大丈夫です。最低ラインの3つ、とくに「p=none から始めた」さえ言えれば、いちばんこわい事故は避けられています。
DMARCは、一度きりの設定作業ではなく、送信元の変化に合わせて見続ける運用です。だから、今日100点を取る必要はまったくありません。
なりすましは、こちらが何かを間違えたから起きるものではありません。ドメインを名乗るのは、誰にでもできてしまう——それがメールという仕組みの、もともとの性質です。だから対策が要る。あなたの管理が甘かった、という話ではまったくありません。
そして、p=none の1行を入れた瞬間から、これまで見えなかった自社のメールの全体像が、勝手に集まり始めます。何年も誰も把握していなかったものが、待っているだけで表になっていく。これは、けっこう気持ちのいい仕事です。
今日は、dig を1回叩くところまでで十分です。

この内容は記事「なりすまし対策のDMARC設定手順|p=noneから段階的に上げる」のチェックリストです。印刷してそのままお使いいただけます。 / 無料ツール一覧へ